記憶サポート帳にも問題があります。夜、それを書こうとしても、その時刻までにその日の出来事を忘れてしまうと、書けないです。そこで、メモ帳をいつも持参し、出来事や思いついた用件をその場で書くようにします。
しかし、メモ帳をいちいちバックやポケットから取り出すのも面倒です。これらを解決するため、身体に装着できメモの読み書きがすぐにできるもの忘れ対処用メモ帳をたくさん開発しました。このようなメモ帳は出来上がったものは簡単ですが、従来まったくなかったものです。
これらのメモ帳シリーズは腕つけタイプ、腰つけタイプ、首下げタイプ、胸・腹つけタイプ、眼前タイプ、タイマーつきタイプなどからなります。ご自分の生活状況や忘れの程度に応じて、試行してください。
市販のページ数の多い手帳を使っている方も多いでしょう。しかし、その手帳のどこに何を書いたか探せない方をたくさん見てきました。そのような方は、以下で紹介するような数枚のメモ紙を貼り付けたタイプにするべきです。
そして、日中書いたそのメモを参考に、その日のうちに「新記憶サポート帳」(安田、エスコアール社)に記入するのが理想です。これがとても大事なポイントになります。
以下で紹介するメモ帳と記憶サポート帳を上手に使い、確実に日々の記憶を残すよう実行してください。自身の記憶に過信は禁物です。
もの忘れ対処用メモ帳シリーズ INDEX
時計バンド式メモ帳
これはもともと言語障害の方の筆談用として考えたものです。腕につけておけば、忘れないうちに用件を記入したり、すぐ参照できます。バンドの甲側の皮をめくると、ファイル袋が数枚重なって出てきます。ここには電話番号や忘れやすい事柄を書いて差し込んでおきます。
次にバンドの手の平側を開くとメモ用紙の束が入っています。私は、外出時バスの時刻表を書いたりして重宝しています。
紙があっても筆記具がないと用件は書けません。そこで、筆記具用の収納スペースを設けました。そこに伸び縮みする筆記具を入れます。
全国発明コンクールにおける入賞作品です。実用新案としても認められましたが、有効期限はすでに切れています。作りたい方は、特許情報プラットフォーム J-PlatPatを開き、実開平01-114806、または「安田清 情報 腕輪」で検索すれば、詳しい図面が出てきます。
もっと、単純でよい場合には、シール・ガムテープを腕にはる、腕輪・腕章をつけ、そこに用件などを記入します。あるいは板状のものにゴムバンドなどをつけ、腕に巻いてはどうでしょうか。詳しくは、医学書院発行の月刊誌「訪問看護と介護 2007年6月号」をご覧下さい。
腰つき式メモ帳 伸びる紐付き
最近、名札に伸びる紐をつけたものが売っています。それを応用したものがこれです。裏表2枚からなり、筆記具が入れられます。詳しくは、以下8の定期券入れ手帳の作り方を参照。
ループタイ式メモ手帳
ループタイとはよく男性がしているひも状のネクタイです。これに似せて首から下げれるメモ帳を作りました。
表裏2枚の板からなり、表面の板を倒すとメモ用紙と筆記具が出てきます。メモ帳の高さは裏の金具で調整します。
これはすでに多数の方に渡しました。多くは買い物に行く時、予定の品をこれに書いて使っています。ただし、茶碗を洗うなど下を向いたときに紐が垂れるので、おもに外出用です。
女性用にはペンダント式メモ帳(図3-3)があります。中にはメモ用紙や筆記具が入っています。
2,3分すると少し前に聞いたことを忘れ、また同じことを聞く方がいます。
そのような方は、常に目に入るところに、よく聞くことを呈示してあげます。ここで紹介している多くのメモ帳いつも見れるようになっています。それは、手が当たって邪魔になりますが、邪魔になることで手帳の存在に気づき、メモの再確認や頻回記入を期待しているからです。この方法に4,5年かかって思いつきました。
詳しくは、医学書院の「訪問看護と介護 2007年7月号」をご覧下さい。
名札兼用メモ帳
これは名札入れ兼用の手帳です。仕事をしている人向きです。牛乳パックなどで、縦開きの手帳を入れるように作り、クリップなどで胸に留めます。
手帳の内容を参照するときは鎖を掛けます。書き込むときは鎖をはずします。横向きの手帳でも同じように作ります。
ブローチ式1面メモ帳
広い記入面をもち、大きな字で読み書き可能なメモ帳です。一般の手帳が挿入できる手帳包み袋を考えました。
普通は腰のベルトにたたんで装着しておきます。手帳が開かないようマジックテープで上部を留めておきます。裏にはクリップが貼ってあり、それでズボンやベルトに留めます。手帳を開き他方の手で下からささえれば、メモが取ります。これを常時開いたままで仕事や家事をし、ときどき下をみて確認することもできます。
前述の通り、もの忘れがやや強い方は、ページ数の多い市販の手帳ではなく、以下のようなメモ紙を貼ったものがお薦めです。
これは皮で作った花のコサージュの裏にメモと鉛筆をつけたものです。見るときは裏返せばよいだけなので、非常に操作は簡単です。これはメモ欄は1面だけです。
ブローチ式3面メモ帳
上記と同じタイプですが、メモ欄が3面あります。手帳の内容を参照するときは鎖を掛けます。書き込むときは鎖をはずします。女性の外出用としても使えます。
片手書き込みメモ帳
以上の各種メモリーエイドには、共通した欠点があります。それは書き込む時、両手を必要とするので、片手に物を持っている時は書き込みができません。
そこで、片手に物を持っていても書き込める、簡単な方法を思いつきました。裏に安全ピン(クリップでもよい)と磁石片をぶら下げます。表は鉄板にします。使うときは表の鉄板を裏に回して(、磁石片とくっつけます。
これで、片手に物を持っていても、即座に手帳に記入ができます。立ち仕事の多い一般の方にも重宝ではないでしょうか。
目の前メモ帳
壁などに紙を貼り、そこに注意事項などを書いておく方法がよく試みられます。しかし、周囲の空間全般に注意を向けることが困難になる方も多いです。
そこで、常に視野の中にメモ情報を提示できる方法を考えました。それがこの目の前メモ帳です。作り方は帽子の両脇とひさしにチューブを通し、そこにワイヤーを入れます。そのワイヤーの先にメモ用紙をぶらさげ、ひさしの裏にくっつけておきます。
使うときはワイヤーを引っ張れば、その紙も出てきて目の前にぶら下がります。その紙に、「ここは労災病院です、安心して治療してください」などと書いておきます。これは外出用です。
垂れているメモが目障りではないかと思うでしょう。しかし、人間の視界は上下左右180度あるため、メモ紙をやや視線より上方につければほぼ気にはなりません。身近な帽子でお試しください。
右端は100円ショップなどで売っているひさしだけの帽子(サンバイザー)を使った簡易版を作りました。これはひさしにワイヤーを直接つけて使うものです。ドアなどに当たったときワイヤーが左右に動いて衝撃をやわらげます。食事のときは頭頂部にワイヤーを跳ね上げて使います。
これは人目を気にしなくてよい在宅用でしょうか。
数分後から数十分後にやるべきことを、すっかり忘れることがあります。例えば30分後に煮物の火を消す、15分後に電話をかけるなどです。
そんなときはタイマーを使いましょう。現在、私はタイマーのうえにコサージュをつけてブローチ風にし、裏にはメモ帳と鉛筆を付けたものです。メモ用紙に用件を書き、タイマーが鳴ったときにそのメモを見ます。
買い物メモを持っていっても、店でそれを見忘れるという話をよく聞きます。この場合、メモを持った時に店で買い物をしている筈の時刻に、このタイマーをセットするのです。
ブローチ風メモ帳の上部に紐を通し、バックにつければバック取り付け手帳になります。
多くの女性はハンドバックを持って買い物に行きますが、なかなかそれを見ることを忘れたり、面倒がってバックを開けません。このメモ帳をバックに付けておけば、すぐにメモ帳が見れます。
左上より右に1-5とする。5.定期券入れ(パスケース)で裏表2枚が接着されているタイプのものを買う。1.透明ファイルを切る。2.筆記具入れやポストイットの紙抑えをホッチキスで作る。3.裏表にパスケースを開く。4.その内側に張りつける。5.あとは、首掛け紐やクリップをつける。
なお、㈱ が本革、手縫いのパスケース兼用メモ帳の発売を計画中です。
筆記具は、パイロット バーディ BS-40S がおすすめです。約400円。
6,7年前からスマホにカバーが付けば、カードやメモ帳が入れられと思ってました。数前からようやくそれらが売り出されましたが、メモ帳付きや筆記具付きはないようです。そこで、100円店で売っているカード用ファイルを改造して張りつけます。右端のベロに輪にした革を張り付け、筆記具をつけます。
スマホの上にカバー、その中に名札を入れたもので、実際に使っていました。カバーを外すとすぐに記入出来たり、カバーの裏面のメモ帳に記入します。あるいはスマホの裏側のメモ帳に記入します。
左上より右下に1-10とする。1.化粧用の鏡の入ったコンパクトから鏡を外す。2.裏のクリップに紐をつけて首から下げる。3.広げたところ。メモ帳右側には、筆記具入れを作り、張り付ける。4.裏のクリップで直接服につけたところ。5.服のポケットに表カバーを差し込めば、常に情報が見える、また片手でも書きこめる。6.裏面と表面は左端のように着脱可能な連結具をつないで、開く角度を調整しても良い。その左は、カシメ。これでピックなどをつけると、開閉しやすくなる。あるいは書いた後に、ピックを出しておくと、メモが書いてあることを思い出すことができる。7.落ちないように、ワニ口クリップをつけても良い。8.トンボ(額用)をカシメで留めたところ。カード用のファイルを切って張り付け、メモ挟みにしても良い。9.棒磁石を張り付けても良い。対面の個所には鉄板を張り付ける。10.この台の上にICレコーダーなどを張り付け、5のようにポケットに差しこめば、すぐに操作できる。